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第121回定演特集 ~その1~

 グリーグは北欧の作曲家の中でも、特にピアノのための曲に重要な作品を残した人です。シベリウスやニールセンもピアノ曲がない訳ではありませんが、重点はやはり管弦楽にあったというべきで、2人とも交響曲の分野に傑作を残しています。比してグリーグの管弦楽は劇付随音楽「ペール・ギュント」が有名なくらいで、例えば交響曲に至っては、同時期に作曲されたスヴェンセンの交響曲第1番を聴いた結果、自作品に自信を無くして生前に演奏禁止にしてしまったという話です。私はスヴェンセンよりグリーグの交響曲の方が好きですけどね……。自身が非常に優秀なピアニストだったということもあると思いますが、グリーグの作品はピアノを含む曲の方がどうしても聴き映えがしてしまいます。「北欧のショパン」と呼ばれることからも察せられるように、ピアノのためのロマンチックな小品が数多く残されており、彼の本領はやはり「抒情小曲集」に代表される魅力的なミニアチュアの数々だと思います。
 「抒情小曲集」の第1集から最後の第10集まで、これらが作曲された時期は彼の作曲家生涯をほぼカバーしており、この曲集の歩みはまさに彼の作曲家としての歩みと共にあったものと言えるでしょう。今回演奏される5曲は第8~10集から選ばれており、晩年へと至るグリーグの心情が見て取れるようです。特に、第10集からの「夏の夕べ」は穏やかな曲調の中に、郷愁や寂寥の念を起こさずにはいられません。「トロルドハウゲンの婚礼の日」は曲集の中では有名かつ人気の高い曲なので、もしかしたらどこかで聴いたことがあるかも知れません。ピアニストとしての彼の姿が彷彿とさせられる1曲です。
 今回演奏されるのは曲集全体のごく一部に過ぎません。この定演でグリーグの魅力に触れて頂き、ぜひとも他のピアノ曲にも耳を傾けてもらえれば嬉しいです。第1集から第10集まで、作曲家の足跡を追うように聴き進めていくのも面白いかも知れません。

《今日の1曲 ~第21回~》
『弦楽四重奏曲 第77番 ハ長調 「皇帝」 Hob.Ⅲ.77 / ハイドン』

 ハイドンの交響曲にしてもそうですが、タイトル付きの曲は認知度が高いですよね。『時計』とか『驚愕』とか。弦楽四重奏曲においては『ひばり』とか『日の出』とか『鳥』とか、その他たくさんのタイトル付きの曲があります。タイトルが付くということは、それだけ聴いている側のイマジネーションを刺激するということでもあるので、やっぱりハイドンは素晴らしい。
 この『皇帝』の名を冠する弦楽四重奏曲は、ハイドンの作品の中では有名な部類に入ると思われます。タイトルの由来はといえば、第2楽章がオーストリア(現ドイツ)国歌の旋律による変奏曲になっていることです。この旋律自体も、当時ナポレオンの侵攻によって苦しんでいたオーストリアを鼓舞するために、国歌の制定を強く訴えたハイドン自身が作曲したもので、いわばこの第2楽章はリプロダクションというところです。
 そのような理由ですから、もちろん第2楽章の変奏曲が有名で人気もあるのですが、個人的には第1楽章の弾けるような快活さ(なんて楽しい第1主題)も捨てがたいし、第3楽章のふくよかな曲調も心躍るものがあります。そして第4楽章は初っ端から意表を突くハ短調!それまでの楽しさや面白さを全て裏切って、もはや悲愴感さえ感じさせるハ短調和音の連続で始まるあたり、またしてもハイドンの飛び抜けたセンスにしてやられた感じです。
 結論、全楽章素晴らしい。やはりこの曲は名作です。ちなみに、第2楽章のオーストリア国歌による変奏曲はハイドン自身の手によるピアノ版も残されていて、私のようなハイドン大好きピアノ弾きにとっては嬉しい限りです。

『弦楽四重奏曲 第77番 ハ長調 「皇帝」 Hob.Ⅲ.77 / ハイドン』
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