スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

定演特集 ~その5~

5回目となりました。メトネルとスクリャービンです。
メトネルは近年の再評価が著しい作曲家の一人ですが、まだまだその名前は一般には定着しているとは言い難いでしょう。彼はラフマニノフやスクリャービンよりは若い作曲家ですが、世代としては同じ世代の人間にあたり、特にラフマニノフとは仲が良く、ラフマニノフのピアノ協奏曲第4番がメトネルに献呈されているのに対してメトネルのピアノ協奏曲第2番がラフマニノフに献呈されているなど互いに交流がありました。音楽的にもラフマニノフと同様、当時流行の前衛芸術とは距離を取って、後期ロマン派の流れを汲む作品を書き続けました。ラフマニノフほどのキャッチ―さはありませんが、何度も聴いているうちに音同士の織り成す独特な風景に飲み込まれるようです。いわゆる"スルメ"です。
メトネル自身が優秀なピアニストだったこともあり、ピアノ曲は数が多く、ソナタだけで14曲に上る作品を残しています。今回演奏される「回想ソナタ」は"忘れられた調べ第1集"という8曲から成る曲集の第1曲目にあたりますが、ソナタとは言いつつ単一楽章の形をとっているところに特徴があります。ここで現れる「回想のモチーフ」は曲集を通して幾度となく再現され、全体に有機的な統一感を与える役割を果たし、同時に聴く者にも忘れ難い印象を与えています。起伏の激しい曲調の中にメトネルが何を回想していたのか、この曲の聴きどころだと言えるでしょう。
スクリャービンについては前にも触れましたが、彼がそれまでの後期ロマン派の音楽観から、新たに神秘主義的な世界に足を踏み入れていく、その始まりの頃の作品がソナタ第4番です。これは全2楽章から成っていますが、第1楽章は実質的な序奏でソナタを貫く主要主題が提示されます。穏やかな序奏の後には、主部にあたる躍動的かつ戯れるような第2楽章がやって来て、第1楽章で現れた主題が姿を変えながら様々な形で再現されていき、最後には圧倒的な歓喜のクライマックスを作り上げます。

〈今日の1曲〉
『交響曲第36番 ハ長調 K.425《リンツ》 / モーツァルト』
モーツァルトの交響曲と言えば、最後の3曲、すなわち第39~41番が有名です。第40番なんかは出だしを聴けば「知ってる!」という人も多いと思います。まあ、この3つは是非聴いて下さいということで……、マイベストはこの《リンツ》と呼ばれる交響曲です。なぜかというと、単純に楽しいからです。第1楽章から第4楽章の全て、聴いているとこの上なく楽しくて幸せな気持ちになります。
モーツァルトはオーストリアのリンツに滞在中、伯爵の演奏会のためにわずか4日間という早業でこの曲を書き上げてしまいました。そこに因んで《リンツ》という愛称でも呼ばれている訳ですが、それにしても、こんな素晴らしい曲がたったの4日間で出来上がってしまうとは。つくづくモーツァルトの天才には驚かされます。この他にも、モーツァルトの作品には副題や愛称の付いているものが多く、そういった曲を辿ってモーツァルトの音楽と触れ合うのも面白いかも知れませんね。

『交響曲第36番 ハ長調 K.425《リンツ》 / モーツァルト』
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。